アラビカ種のコーヒー相場が大変な高値をつけ始めています。アメリカのコーヒー豆在庫の減少とコロンビアなど主要な生産国で2年にわたり不作が続いたことが主な原因と思われる・・・というのは表向きの理由。実際はドル相場の下落に歯止めがかからず、結果として商品相場の魅力が増してしまった(ドル円相場でしこたま儲けた連中が商品相場にリスクヘッジした)or(ドル円相場で酷く損失を被った連中が手っ取り早く儲けが出そうな商品相場に飛び移った)・・・というのが実情でしょう。
現在1ポンド180セントを越えてきている(この業界ではなぜかドルという単位は使わない)という事ですが・・・私たちは1997年に270セントに迫る記録的な高値を経験しています。この時はブラジルの霜害がきっかけでした。当時は円高不況の真っ最中で、世の中は不況の渦中にありながら、円高のおかげで輸入産業(コーヒー業界を含む)は小康状態を保つ、という皮肉な結果となりました。(もっとも多少安く仕入れても国内需要が極端に低迷しては元も子もありません。)
為替に敏感なお客様のなかには、コーヒーも円高還元を行うべきだ、とお考えになる向きもあると思われます。私もできることなら還元セールもやってみたいと思います。ですがこの相場高騰ですべて相殺されてしまうでしょう。
ひとつ言える事は、「もう相場には振り回されないぞ!消費者と生産者のために我慢すべき時は我慢し、本当に価値ある商品だけを、リーズナブルな価格で販売する。」という姿勢ができた、という事です。この事を守り通してのみ、従業員や家族を守っていけるのではないか、と考えます。
何が本当で何が偽りなのか・・・複雑で視界が利かない昨今ですが、じっくり見極めていくつもりです。
アラビカコーヒーの市況